毎日使う所だから、見た目ばかりでなく、体にフィットしたキッチンを。
自然な流れで動けると、お料理のスピードも違ってくるでしょう。
◆ワークトップの高さ
JIS規格では、ワークトップ(天板)高さの標準を、身長155㎝と165㎝の人を基準として、80㎝と85㎝の2つに定めています。この値は台所仕事の3本柱「洗う⇒切る⇒煮る」のうち「切る」という作業にあわせて、身長÷2+2.5㎝という式により求められたものです。細かいことを言えば、それは「切る」際の手と道具の接点を「作業点」として、床からその作業点までの高さを求める式になっています。作業点にはまな板の厚みや包丁分も当然含まれていますが、身長の高低によらず、それがワークトップの高さより5㎝程度高いときに、身体にはもっとも負担がかからないとされています。(よって最近のシステムキッチンメーカーでは先程の式で2.5㎝ではなく5㎝を加えるようになってきているようです。)ただし残りの「洗う」「煮る」という作業になると、身体に負担のかからない高さは異なります。最近ではガスコンロ周りを一段低くしたカウンター(ステップカウンターなどとよばれている)などにより「煮る」に対しては解決されました。しかし「洗う・切る・煮る」という3つの作業は連続して行われ横への動きがありますから、それぞれの作業をしやすいようにといって段違いのワークトップを1列に並べてしまうと今度は安全性に問題がしょうじてしまいます。流し台が低すぎて腰が痛くなるというような事がありますが、腹部をもたせかけて安定した姿勢を作る工夫や、Ⅱ型やI型配置のキッチンにするといった方法をとって、防止するのがよいでしょう。